名古屋市南区福井薬局の福井です。全国的に非常事態宣言が発令され、皆様不安な気持ちになっていると思います。ワクチンなどコロナウイルスに関する効果的な治療方法が確立は時間がかかる為、それまでの間は自分の身は自分で守らなければなりません。ウイルスや細菌から身体を守る防御機能は「免疫力」で、自分の身体を守るには身体に備わる免疫に頑張ってもらうほかありません。この免疫力は睡眠と同調し機能する特性があり、より良い睡眠を取ることが免疫にとって一番大切なことです。
目次
1.免疫力が高まる睡眠
免疫力とはウイルスや細菌などから私達の身体を守ってくれる機能です。この免疫力は常に均等に働いているわけではなく、身体が休まる睡眠中に特異的に高まります。
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身体を守る免疫機能
免疫力とは恒常性の一部で主に「身体の修復・ウイルス/細菌などを排除」し、常に身体の状態を健康に保つ機能です。
しかし、身体の修復やウイルスの排除はとても大変なことで、免疫の作用にはとても大きなエネルギーを消費します。
このことから免疫機能を積極的に立ち上げるタイミングとしては身体が休まっている間が最適であり、免疫に多くのエネルギーを避ける状態が、免疫力が高まる環境です。
免疫力が高まる睡眠時
免疫力を働かせるために多くのエネルギーが必要なので身体が活動しない睡眠中に免疫力は高まります。
つまり、人が眠るという行為は身体を休めるためだけのものでは無く、休息を行いながらも睡眠中には目まぐるしく身体の代謝反応は起こっています。
その代表的な代謝反応が免疫機能です。風邪を拗らせ発熱すると、いつもより眠ってしまうことが多々あります。
これは身体を休ませて免疫力を最大限に高める為に起こる身体の仕組みなのです。つまり、免疫力の向上にとって最も重要なはことは充分な睡眠を取ることです。
2.睡眠時に起こる免疫作用
睡眠中に免疫力は活発に機能し、免疫は「身体の修復=細胞のケア」と「抗体生産=ウイルス/細菌の攻撃」を行い日々の私達の身体を健康に保ってくれています。
体細胞のケア
私達の身体は生命活動や生活習慣によって日々ダメージを受け、修復を繰り返しています。この身体の修復が意味することは細胞の修復であり、これも免疫も働きによるものです。
生命活動の一つである呼吸によって発生する活性酸素や、生活習慣の蓄積によって細胞はダメージを受けます。
しかし、免疫によって傷付いた細胞の修復が常に行われることで私達の健康は維持されています。
ウイルスと戦う抗原抗体反応
身体に侵入した「ウイルス・細菌=抗原」を排除するために起こる免疫反応が抗原抗体反応と呼ばれるものです。
体内に侵入した抗原に対し、戦う為の兵隊が抗原抗体反応によって作られます。身体の中では抗原を倒すために、抗体を生産し、抗原を排除する働きが日夜行われます。
抗原抗体反応にはエネルギーを膨大に必要とする為、身体を不用意に動かさない睡眠中が最適な環境となります。
3.睡眠時間と睡眠導入が重要
免疫力は睡眠中に常に発揮されているわけではなく、睡眠時の深い眠りと言われるノンレム睡眠時に発揮されます。ノンレム睡眠の中でも熟睡状態といわれるステージⅠ~Ⅱに免疫力は高まります。
免疫力が高まるノンレム睡眠
睡眠は複雑な睡眠状態が混在し構成されています。大きくはレム睡眠とノンレム睡眠の2つに分かれ、レム睡眠は覚醒の為の睡眠でノンレム睡眠は休息の為に必要な睡眠です。
免疫力は休息時に活性化しますので、必然的にノンレム睡眠時に作用が高まります。
中でも睡眠導入後に訪れるノンレム睡眠ステージⅠ、Ⅱという状態で免疫力は亢進すると言われています。
つまり、就寝において直ぐに寝付けて熟睡状態に速やかに移行することが免疫には大切です。
睡眠不足は免疫を下げてしまう
ノンレム睡眠とレム睡眠の2つの睡眠状態を交互に繰り返すことで睡眠は形成され免疫作用はノンレム睡眠時に起こり亢進します。
そして、睡眠には最低6時間以上必要と言われていますが、これはノンレム睡眠に必要な回数が取れる時間を意味しています。
つまり、睡眠時間が極端に短い寝不足の状態だと、免疫の為に必要なノンレム睡眠も少なくなってしまい免疫力も低下してしまいます。
4.しっかりと眠り免疫力を高める
免疫力にとって睡眠は最も重要な働く環境で良い眠りが免疫力を高めます。良質な睡眠は規則正しい生活習慣と良好な血液循環からもたらされます。寝つきが悪い方や眠りが浅い方は血液と生活習慣を改善しより良い眠りを目指しましょう。
規則正しい生活を心掛ける
1日の睡眠スケジュールは規則正しい生活習慣によって組み立てられています。ポイントとしては毎朝規則正しい時刻に起床することです。
人の身体は朝日を浴びた時間から夜に眠りに付く時間を計算していますので起床の規則性が睡眠の規則性を決定づけます。
そして規則正しい一日3食の食事も睡眠のスケジュール決定にとても重要な働きをしています。
覚醒を促す行動を取らない
規則正しい生活習慣によって正しい睡眠スケジュールが体内で構築されたとしても、睡眠が阻害されてしまうことがあります。
それがブルーライトやカフェインといった覚醒を促すものの影響です。
覚醒因子によるシグナルを夜間に受けてしまうと眠る準備段階に入っても目が覚めてしまい「寝つきが悪い・眠れない」といった睡眠状態の悪化を招いてしまいます。
睡眠導入に重要な血液循環
夜眠気を感じると手や足の先がポカポカと暖かくなっていますか?
これは人の身体が寝付く=睡眠導入のために必要な現象で、手足の末端から深部(内臓)の体温を外へ逃がしているのです。
この体内の熱を外へ逃がす現象が「眠気→寝付き」を生み出しているので私達は速やかに眠りに付く事ができます。
逆に手足が温まらないという人は血液循環が悪い可能性があります。
血液循環が悪いと体内の熱をうまく逃がせないので寝つきが悪いなどの睡眠障害を生み出しやすい可能性があります。
コロナウイルスが猛威を奮っていますが、こんな時こそ免疫力の要となる睡眠を見つめ直してみてはいかがでしょうか。